[7] 最初のうちは俺も有頂天になっていた。拓人とこうやって一緒に居れる事に。昔に戻った事に。 だけど段々気付いてきた。拓人は元々女の子が大好きで付き合ってもいた。今は好奇心と、昔の友達と遊ぶ事を懐かしむみたいな感じで楽しんではいるけれど、その内やっぱり男の俺と付き合っているのはおかしいとか、女の子と付き合いたいと思うんじゃないかって。 そうなったら俺は止められない。 だから余計に不安になる。拓人が女の子と喋ったりふざけ合ってる処を見ると。 「羽須美!」 考え事をしながら一心不乱に教室に向って歩いていた俺の肩を拓人が掴まえ、強引に振り向かせる。 振り向いた俺の目に飛び込んでくるのは、苦笑を浮かべた格好良い拓人の顔だった。 「ったく。ヤキモチ妬くなって。手の掛かる奴」 そう言って俺にデコピンを喰らわす拓人を睨み付けながら、 「いてぇーな! んなじゃねぇよ! 自惚れるなっ」 と噛み付くと、益々笑われた。 そしてそのまま、ちょっと癖毛でカールしている俺の髪に手を置くとクシャクシャと掻き混ぜる。 「わぁっ! 止めろよ! 余計に絡むじゃねぇかよ」 そう、俺の髪は天パの上に細いネコ毛なんだ。 嫌がって逃げた俺に、拓人が笑いながら言う。 「ちゃぁ〜んと勉強しろよ。高校入れないぞ」 「煩いよ!」 そう言って俺達は自分達の教室に行く為に別れた。 セコくても卑怯でも良い。 後もうちょっと。せめて拓人が「やっぱり女の子の方がいいや」という日が来るまで。 どうかそれまで彼に女の子が近付かなければいいのに。 そう願ってる自分の小ささに、嫌気が差した。 15歳。大人が思うほど子供じゃない。 だけど心と身体のバランスは、自分でも思う様にいかない。 ■スイマセン。「携帯サイトをバスの待ち時間とかに利用してます」という嬉しいメールを貰い、だったら何か軽い読み物をと思ったのに・・・。長い上に軽くはないです^^;; (ドシリアスでもないけど・・・。所詮、里那) 一度中学時代からゆっくり進むお話を書いてみたかったんです。 某ゲイの友人が、「中学の時に自分の趣向に違和感を感じたんだよな・・・」って言うくらい中学時代って微妙な時期だし。(因みに里那は、中学ん時付き合ってた人と真剣に結婚する気だった・・・。笑ってやって下さいA^^;;) 中学時代から高校時代へと移っていくお話が書きたいのですが、(高校時代はPC専用サイトになりそうです><;;)どなたか興味を持って下さった方は居られましたか? 居なかったりして・・・。 2005/9/25 水紀里那 ≪BACK NEXT≫ ≪目次 ≪TOP |